心筋梗塞を繰り返さないために
2025年6月5日
循環器内科 山尾 秀二
「心筋梗塞」は、心臓に酸素や栄養を送る「冠動脈」という血管が詰まることで、心臓を動かす筋肉である「心筋」の一部が壊死してしまう病気です。発症直後に亡くなる場合もある怖い病気で、詰まった血管を治療して血液の流れを回復させることができても、壊死してしまった心筋は元には戻りません。
心筋梗塞を起こしたことがある人は、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことが分かっています。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、更に注意して再発を予防することが大切なのです。
心筋梗塞の再発を予防するには、一度目の治療を終えて退院した後の毎日をどのように過ごすかが重要です。動脈硬化を進行させるリスク因子(脂質異常、糖尿病、高血圧、肥満、喫煙)をよりしっかりとコントロールできるよう、生活習慣を改善しましょう。
悪玉コレステロール(LDL-C)に関しては積極的に下げることが勧められていて、少なくとも100mg/dL未満、特にリスクの高い方は70mg/dL未満という更に低い値を目指す必要があります。心筋梗塞を起こしたことのない脂質異常症の患者さんよりも更に低い値にまで抑えることが求められていますので、主治医の指示に従って適切な薬物療法を継続することが大切です。
血糖、血圧、脂質の管理のためには、塩分制限などの食事療法や運動療法の継続が重要です。肥満の人は標準体重を目標に体重を減らすようにしましょう。
喫煙は心筋梗塞が発症するリスクを高め、禁煙するとリスクが低下することがわかっています。新型タバコについても心血管疾患の発症リスクを上昇させることが指摘されています。心筋梗塞を繰り返さないためには、必ず禁煙を達成しましょう。
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