新型コロナウイルスはいつ終わる
2025年3月5日
院長 植草 義史
今冬の暮れから正月にかけては新型コロナウイルスとインフルエンザで大変だったのではないでしょうか。市民病院でも連日発熱や咳・痰・咽頭痛の患者さんが来院され、1月2日には100人を超えて、重症者以外はお断りさせていただきました。入院患者さんや職員も感染し、新入院の制限や面会制限を取らせていただきました。感染を広げないためのやむを得ない処置としてご理解をいただきたいと思います。幸い、院内感染も広がることはなく、通常の体制に復しています。皆様のご協力に感謝いたします。
さて、今回の騒動で「いつになったら新型コロナウイルスは終わるのか?」とうんざりされた方も多いと思います。医師としても終わりが見えないような不安に駆られます。しかし、改めて見直してみると感染者数は明らかに減少してきています。令和5年5月の感染症5類移行までの第8波では最高一日あたり26万人の発症がありました。第8波を最高として徐々にピークは低くなり、現在の第12波では一週間あたりの定点報告で4万人弱となっています。今回の騒動はインフルエンザの感染流行と重なった事が原因であったと考えます。
新型コロナウイルスが流行し始めた頃に、既にコロナウイルスは一般の感冒の原因ウイルスとして4種類程度が知られていました。平成15年に騒がれたSARS(サーズ)を始めとして、その後日本では流行らなかった中東呼吸器症候群もコロナウイルスによるものです。発症期には死亡率が高かったものの徐々に低下して特別扱いされなくなったウイルス感染の一つです。令和5年5月までのまとめで日本の新型コロナウイルス感染症の死亡率は0.22%です。インフルエンザの推定死亡率0.1%に比べるとまだ高く、高齢者では数%に及ぶという事が依然として注意すべき状態と言えます。また、感染注意期間がインフルエンザが解熱後48時間なのに対し、新型コロナウイルスは感染後10日間もあるという事が治まりきらない原因でしょう。その様な状況に対して私たちはどうしたらいいのでしょう。「三密」を覚えていますか?流行期には密集・密閉・密接を避け、マスクの着用と手洗い・帰宅後のうがいを励行する事です。流行には終末があります。新型コロナウイルスを乗り切きりましょう。
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