がんの早期発見のため、市民の皆さんに今お伝えしたいこと
2025年9月5日
内科 法水 和輝
この記事をお読みになっている皆様の中で、これまで一度も病院を受診したことがないという方はいないと思います。また、ご年齢を重ねるにつれ、定期通院している病院やクリニックがあるという方も多いのではないでしょうか。もしかしたら、「定期的に病院で血液検査を受けているから自分は安心だ」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。今回は、がんの早期発見に関してお話しさせていただきます。
二〇二一年に厚生労働省が発表したデータでは、「日本人の二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで亡くなる」と言われており、その割合は年々増加傾向です。がんの割合の増加には多くの要因がありますが、その一つにはがんの早期発見が増えたことも挙げられ、その意味では良い傾向だと考えています。ここで皆様に知っていただきたいのは、「血液検査だけではがんの早期発見は難しい」という事実です。胃がんや大腸がんなどでは貧血、肝臓がんや胆管がんでは肝機能障害で発見される方もいますが、進行するまで血液検査に変化が現れない方も経験します。確かに血液検査の中で、腫瘍マーカーと呼ばれる特定のがんで高値となる血液検査の項目はありますが、腫瘍マーカーが上昇しないタイプのがんがあったり、体質的に元々正常値より高めの方がいたりします。つまり、腫瘍マーカーが高値だからがんがある、また低値だからがんがないとは残念ながらならないのです。
そこで皆様に提案したいのが、がん検診の受診です。乳がん検診、子宮頸がん検診、胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診などがあり、血液検査以外の検査でがんの早期発見を目指します。かかりつけの先生にご相談いただいても良いでしょうし、北茨城市でも予約制で行っていますので北茨城市のホームページなどでご確認ください。がんは、早期発見して早期治療に結びつけることが重要であることは言うまでもありません。健康に自信がある方こそ、この機会に一度がん検診を受けてみてはいかがでしょうか。
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